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君に届け

そう、「君に届け」の映画が封切りになったんですよ!!

恥ずかしながら原作コミックの大ファンである私、正直実写化にはあまり乗り気ではありませんでした。

だって、絶対にあの世界観は描けないと思っていたから。

個人的意見だけど、実写化して成功したと思うのは「デスノート」と「20世紀少年」かな。

共通点は「複雑になり過ぎた原作を、すっきりとまとめられている」こと。

そう考えると、「君に届け」はとても単純な話の展開だけど、心の動きが重要な作品。

したがって、実写化は非常に難しいと思う。

そして何より原作のファンが多く、制作側はどうしても意識してしまうと思うのです。

そんな風に思っていると主要キャスト発表。

爽子には多部美華子、風早は三浦春馬ということで、爽子はバッチリだと思うのだけど、三浦春馬は「恋空」や「ブラッディマンデイ」、「ごくせん」のイメージが強くてちょっとミスキャストかなーと感じた。

ちづとあやね、くるみの役者はみんな雰囲気も外見もぴったり。

予告編も始まり、原作の好きなシーンも観られて少し期待度が増してきた中での鑑賞でした。

正直な感想は「可もなく不可もなく」といった感じ。

あまり評価の上がらない恋愛モノの中では健闘したんかな(^_^;)

ではいつもの様に書評を(偉そうに)、良かったところから。

前にも書いたけどキャストが良かった。

多部ちゃんは爽子になりきっていて、「こうしていないと涙が出てくるので」のシーンはまさに爽子そのまま。

三浦春馬も最初はどうかと思っていたけど、しっかり風早になってた。

時々「ごくせん」のような雰囲気もあったものの、爽やかな風早くんを好演していました。

今の役者なら春馬しか考えられないね(一緒に観た人は「少し前なら妻夫木」と言い張っていました。同感です)

「パスってさ、ちゃんと相手に届けって思いながらじゃないと受け取ってもらえない」

カッコイイですね(*^_^*)

くるみもなかなかよいです、憎らしいんだけど単純に風早が好きなためにという雰囲気が感じられます。

でも、ちづとあやねはもう原作そのまま、雰囲気もキャラクターもバッチリでした。

ここまでぴったりなのはすごい。

そしてそのおかげで、原作でも大好きなエピソードである2人が爽子との友情を確かめ合うトイレのシーンが最高にいいんです!!

爽子の頑張り、ちづとあやねの爽子への想い、「好きって言うより“大好き”」とか「こんなのもう友達じゃん」とか、素晴らしい。

体育祭のエピソードもなかなか良くて、くるみによって爽子が自分の気持ちに気付いていく大事なシーンを、大事に撮っていた感じがします。

ここまでのエピソードを出来るだけ原作の空気感に近く作っていたこともあり、ここまでは最高でした。

ただ問題はこの後。

漫画原作の実写化という時点で、そのまんまの展開なんて期待していません。

だから「ここが原作と違って~」とか、「原作が削られていて話の展開についていけない」とか、そんな批判をするつもりはありません。

もちろんそういう気持ちもあるんだけど。

それ以上に感じるものがあるんですよ。

まずエピソードを無理矢理に盛り込み過ぎかな。

ちづと徹の関係とか、あやねの恋愛とか、クリスマスとか、「一応入れときました」くらいの描き方だったら、むしろエピソードを作り直した方がいい。

原作ならすごーく丁寧に描かれてるし、クリスマスはかなり重要なイベントです。

やっつけな感じがして物足りない、さすがに描き方が雑過ぎます。

また、先にも書いた通り体育祭までは原作の空気感を大事にしています。

「空気感」としたのは、必ずしも原作通りではないから。

それでも前半は上手く繋いだりしていて不自然な感じはあまりない。

だけど後半はガクッと失速、「え? 何故にそんな展開!?」と思うほど無理矢理な展開と違和感。

さすがにそこまでやっちゃうのは…ダメでしょ。

ラストも引き延ばす必要もないのに延ばして(あの木の下でっていう思いは分かるけど)間延びしている。

あそこはそのまままとめてしまってよかったと思います(何のことか分からないよねw)

全体的なことを言えば、漫画的な表現で爽子と風早の心を丁寧に描写してほしかった。

確かに爽子はあまり喋らないけど、原作はそこでちゃんと爽子の心理描写をして、それによって爽子はもちろん、キャラの気持ちが描かれているよ。

でも映画はホントに黙っているだけ。

漫画的表現というのは、「シーンにアテレコで心の声をつける」って感じ。

「霊感はないんだけどなぁ」とかもそうだし、気持ちの変化・移り変わりを描くには必要だったと思う。

そういう詳細な心理描写がないために、サクサクと進んでいってしまう感じはあります。

そんな演出の他にも、よくなる演出はもっとある様に思います。

違和感や物足りなさを感じる原因に、必要なシーンの足りなさもあると思います。

爽子が千鶴&あやねをいきなり名前で呼び出しているけど、そのきっかけや前後のシーンとか、もっと爽子が風早によってクラスに馴染んでいくシーンが欲しかった(欲を言えば平野さんや遠藤さんもいるとよいな)

要は簡単に仲良くなり過ぎってとこですよ(随分短く言えるねw)

そこは丁寧に心の動きを描いて欲しかったです。

また、くるみちゃんの「ちゃんと私は伝えたよ」っていうシーンがあってこそ、爽子は自分はどうするか悩む訳だし、爽子が最後に可愛い服を着るのはくるみちゃんに会ったからってことだし、ちづとあやねが家に遊びに来るのだって真逆の心理状態だったはず…

原作では1つ1つの言動に重みがあったけど、劇中では非常にあっさりしてました。

くるみちゃんもよく分からなくて、ライバルじゃなくてただの嫌な子なってるし。

変えてはいけないことは変えてはいけないと思う訳です。

「恐怖新聞」の件は原作でも一番笑ったところなので、残っていて嬉しかったけど。

配役についてもいくつか。

龍は元々あまり喋らないし、喋る時もぼそぼそっとしか喋らない。

話すのもきっと棒読みな感じなんだろうと思います(原作からもそう感じるし)

だからそれを演じるのは非常に難しいと思う。

ピンはね、ARATAではないです。

ここだけは完全にミスキャスト、意図が分かりません。

映像についてはもっと綺麗に撮れると思うし、もっと良く出来たと思う(邦画でも画を綺麗に撮れる方はたくさんいますから)

と、またもだらだらと書いてしまいました(^_^;)

いつもいつもすみません。

「君に届け」、ちょっとした小ネタ(爽子のデフォルメとか一挙手一投足、爽子の鈍さとちづのあっけらかんに焦れる風早)とか、原作の好きなエピソード(肝試し、手紙回し)もあり、嬉しい半面、上に書いたように残念で物足りなくて違和感もある。

観終わって感じたのは何とも言えない歯がゆさともやもやでした。

あ~もう、せっかく前半は素晴らしいのに、非常にもったいない!!

ということで、「君に届け」は“アニメで映画化”、もしくはドラマでもいいんじゃないかと思います。

2時間で描くなら、もっと思い切ってエピソードを選んでもいい。

…見返してみたら、長過ぎる他に、結局「原作は~」とか多用しちゃってるね。

やっぱり原作を知る人はそれと切って観ることは出来ないんだ。

でもね、原作を知る人にどう観せるか、監督や制作サイドの解釈を伝えることが大事だと思うんです。

そういう意味だと「BECK」の方が伝わってきました。

確固たる意志が感じられた(その解釈がありかなしかは別にして)

「君に届け」は何か弱い感じがしたな。

ま、女の子は好きだろうね。

“きゅんきゅん”しちゃいそう(笑)

さて、学校の方はいよいよ運動会週間!!

府中の方も見に行きたいけど、無理だろうな…

ビデオを撮るように頼んでみるかな(^_^;)

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コメント

いいblogですね
読んでしまいました
ありがとう

投稿: DEATH NOTE BL 画像 | 2010年10月11日 (月) 15時27分

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